むしのしらせ

二日間、テントを担いで白山へ行く予定だった。

何が何でも行こうと。静かで美しい景色に出会うために、それまでにやらなければならないことをすべてこなして行くつもりだった。

 

けれど、なんとなく行ってはいけないような予感もしていた。

この先に待ち構える大事な出来事を忘れたふりをして行くことはできないのではないだろうか。

曲作りも譜面作成も練習も半端といえばそんな気もする。

虫が知らせている。

やめようと決断した。

そして行く予定だった日、風邪を引いた。

 

そのかわり、自分の音楽だけに没頭するという素晴らしい2日間を送ることができた。

新しい曲は1曲と、2曲めの8小節だけできた。

何より、本当に音楽しかなかった。

 

今度、恩師たった一人の前で弾かなけばならない4曲もなんとか弾けそうな気がしてきた。

 

やりたいことと、やらなければならないこと。

その2つは自分の感覚でどちらを選択するかを決める訳だけれど

僕ももういい歳です。

流れには逆らってはいけないのです。

小さい秋の虫の小さな声に耳を傾ける、

そんな10月の寺地です。