南海堺駅の南口という、地元民しか見つけられないような小さい改札を出て
無造作に並べられた自転車をかき分けるようにして店に着く。
視界の中が外観だけになったその瞬間から堺であることを忘れる。
焙煎している珈琲の香りは高校生の時の帰り道を思い出す。
ドアを開けてもだいたいいつもこちらのことは気づかれない。
いつもと変わらない三人の顔。空気。音。
最も好きなところは、BGMが流れていないところ。音楽をかけている時もあるが、ほぼ聞こえない程度。
ミルの音、食器の音、水の音。
自然音だけで十分浸れる。
ゆったりした店内もライブの前には慌ただしくなる。
お客さんを迎えるための用意が徹底してるのだ。
中でも掃除がすごい。正月休みの前かと思うほど。
居心地の良さは、店を愛する気持ちから来ているんだな。
常連さんの顔は分かるけど名前は知らない。
必要以上に話しかけない。
でも、笑顔は作ってない。
そしてマスターはじめ、皆さん音楽が大好きで。
この場所で奏でるギターの音は丸くて優しくて、店中の木材とギターが語り合ってるような、
得も言われぬ心地よさなのです。
珈琲の味は、もうおわかりでしょう。
これは言葉では言えない。
Specialty Coffee DEAR CUP
人生の中でとても大きな出会いでした。
僕を家族のようにかわいがってくれてありがとうございます。
そして、紹介してくれたIさん。もう辞めてしまった生徒だけれど、感謝してます。
あなたはライブ入場料は永遠に無料です。
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