まだ若かりし頃、がむしゃらに音楽をしていた頃。
音楽で食べていくことが全く出来てなかった頃、共に試行錯誤しながら取り組んでいた相手がいた。
フルート佐々木恭子。
彼女とジャズを元に音楽全般について本当に「闇雲に」模索し続けた相手である。
三重県に住みながら、お互いに何度となく大阪に来てくれた。僕も同じくらい行った。
名阪国道の走り方はトラックの運転手並みに心得ている。
その後、僕はコントラバス大谷訓史との演奏が中心になり、佐々木は地元で活動していた。
この間、彼女にはたくさんのできごとがあった。この場では語り尽くせないほどの重く苦しい経験をし、音楽活動は続けられなくなった。それを不屈の精神で乗り越え、数年前に中野恭子として音楽の世界に戻ってきた。
どんなきっかけだったかは忘れたけれど、一昨年くらいからまた一緒に演奏する機会が増えてきて、三重県に呼ばれることが多くなった。当時はなかった新名神もできた。
彼女は変わっていた。なにか吹っ切れたような感じで、それは他の誰にも出せない、人間がそのまま滲みでたような音で。
綺麗とか心動かされるとか、そういう平坦な言葉ではとても表しきれない。とにかく、納得のいく音。
そんな彼女の音を大阪の人たちにも聴いてもらいたくて、4月3日にDear Cupでのライブを企画しました。
どんなライブになるのか全く予想できない。かっちりと決めて演るのを嫌う人なので、始まってみないとわかりません。僕のオリジナルは数曲演奏する予定ですが、これもどうなるのかわかりません。始まりと終わりが違う曲になるのかもしれません。
こういうの、楽しみでしょうがない。
皆さんのお越しをお待ちしております。
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